黄金時代

第27回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門出品作品。

 2011年に生誕100年を迎えた中国の女流作家である蕭紅の生涯を坦々と描いた許鞍華監督の大作。許鞍華監督作品だというだけで期待してしまうのだが,今までの彼女の作品とはかなり違う傾向の映画であるように思われた。彼女の作品と言えば,香港の市井に生きる平凡な人々を丁寧に描ききる作風だと思われるが,戦争という時代を背景に生きた自由な女性の一生を大作として仕上げるには,そういう作風からは大きく離れてしまう必要があったのかもしれない。
 極力,想像に資する部分を避け,事実(記録)に基づいた部分での物語作りが行われている。それ故に,観ている側としてはもどかしい部分も多く,わからない部分を一気に省略してしまうために,物語として必要な部分が欠落してしまい,面白味のない映画になっているように思われた。個人的にはかなりガッカリしてしまった。もちろん,最後まで観終わると,一人の女性の伝記映画として,きっちりと出来上がっている印象なのだが,それを超える映画とはなっていないのが残念だ。

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