メイド・イン・チャイナ 메이드 인 차이나

 第27回東京国際映画祭「アジアの未来」部門出品作品。

 「レッド・ファミリー」のプロデューサを務めたキム・ドンフの初監督作品。脚本はキム・ギドク。

 中国でウナギを養殖しているチャンは密航までして韓国へやって来た。自分が養殖して,韓国へ輸出したウナギから水銀が検出され,廃棄処分となってしまったのはおかしいと思い,養殖ウナギを直接持って,再検査を受けようとしたのだ。食品検査を受け持つ省庁の前で座り込んだが,埒が明かない。が,ある日検査官のミが再検査をしてくれる。しかし,実際にそのウナギからも水銀が検出される。工場が養殖場の近くにあるということなので,当然なことだったのだ。愕然とするチャン。そんなチャンと体の関係ができてしまったミは,チャンに警備員の仕事を斡旋するのだが…。

 キム・ギドクらしい脚本だと思う。言葉の通じない男と女が言葉も何も交わさずに,体の関係を結んでしまう。検査官のミはどうやら欲求不満のようだし,体が要求すれば,言葉など不要なのである。
 それにしても,わざわざウナギを持って密航してまで再検査をしに韓国へやって来るという自体あまり考えられない設定だし,そのウナギからちゃんと基準値以上の水銀が検出されるのには笑ってしまう。同行している密航者は,韓国に出稼ぎに来て,韓国人の男と深い仲になってしまった自分の妻を殺そうとするために密航に加わった者もいる。こんな設定はメインストーリーとは無縁で,必要とも思われないのだが…変です!(笑)
 韓国でも中国産は危険だという認識は広まっているらしく,まさにその通りなわけだ(笑)。普通の韓国人は中国産など食べない…らしい。それなのに,この映画で明かされる事実はこれまた実にシニカルな内容で,これまた笑わせてくれる。
 ウナギという生き物自体,ぬるぬるとうごめいていて,まさに映画的。検査官のミは常に面白くなさそうな仏頂面をしているのが,これまたとてもいい。

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