マンガ肉と僕

第27回東京国際映画祭 アジアの未来 出品作品。

 ワタベは一浪して大学の法学部に入ったが,無為な日々を送っている。そんな時に授業で一緒になった熊堀サトミに部屋まで押しかけられ,一緒に住むことになってしまった。彼女は男を寄せ付けないために,あえて太っている。痩せるのが怖くて,少しでも体重が減ると食わなければ気持ちがおさまらないということのようだ。それで,ワタベにマンガ肉を買って来させる毎日なのである。脅し文句は,「あんたが私と同棲しているのを言いふらしてやる」だ。そんなことをされてはたまらないワタベは彼女の言いなりになっている。しかも,買い物はワタベ自身の金なのだ。
 金が底をつくようになってしまったので,ワタベは致し方なくバイトに出ることにした。さすがに,悪いことばかりは続かないようで,そのバイト先で可愛い彼女も見つかった。それでも熊堀は居続けている。もう我慢ができない!とうとう熊堀を追い出すことに決心し,それがようやく実現する。そして,年月が経過して…。

 杉野希妃さんの長編監督デビュー作。しかも,熊堀サトミを演じて,ぶくぶくに太った女を特殊メイクで演じた。これがなかなかよくできたメイク(ですよね?実際に太ったわけではないですよね?)で,最初彼女だとは思わなかったくらいだ。彼女は男を寄せ付けないために太っているという。しかし,その理由は最後まで明かされない。ここは映画で重要な部分ではないのか?ここが曖昧になっているが故に彼女の存在が単なる迷惑女でしかなくなってしまっているように思える。しかも,後半は別人のような女性として登場するのだが,何故そうなったのかも説明されない。熊堀サトミという女はそれほどに不要なキャラクターなのだろうか?
 ワタベを演じるのは三浦貴大。毎度ながら薄いキャラクターで,印象が薄い。それが主人公のワタベに通じるのだろうが,果たして役者としてそれでいいのか?と疑問に思う。
 京都映画としては,京都の色々な場面が登場し,一応ながら成功しているように思う。ただ,人間ドラマとしてはどうか?ただただ,薄味で印象に薄い映画になってはいないだろうか?

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