第27回東京国際映画祭コンペティション出品作品。
70年代後半に南仏マルセイユを中心に起きた麻薬抗争事件を丁寧に描いた大作。ジャン・デュジャルダンとジル・ルルーシュが共演し,しっかした骨太の作品となっている。
監督のセドリック・ジメネスは二作目(見た目も若い)なのに,堂々たる演出ぶり。今後フランス映画を背負って立つ監督の一人になるのだろう。彼は実際にマルセイユ生まれのマルセイユ育ちだそうで,父親がナイトクラブを経営しており,その店がジル・ルルーシュ演じるザンパの本拠のすぐそばだったそうで,彼ら一族のことは昔からよく知っていたのだそうだ。さすが地元。マルセイユの魅力や雰囲気がとてもよく伝わってくる作品になっている。