西遊

第15回東京フィルメックス特別招待作品。

 蔡明亮は李康生が僧に扮して超スローモーションで歩く姿を撮った一連の短編を発表している。これはその一本で最新作。歩く場所はフランスはマルセイユである。しかも,ドゥニ・ラヴァンが李康生の後ろを同じように歩いたりする。
 しかし,本当に蔡明亮らしい短編だと思おう。何しろワンカットが長い長い。しかも,内容はというと,僧に扮した李康生がマルセイユの色んな場所を超スローモーションで歩くだけだ。中には,彼がどこにいるんだかなかなかわからないカットもあったりする。鏡に写り込んだ彼が歩いていたり,画面の奥にいたりする。観る側はカットが変わると,まず彼の姿を探し,見つけ出すと,そこで安心したりするのだ。「ウォーリーを探せ」だよね,全く(笑)。街中を超スローモーションで歩くわけだから,周りにいる人は興味を示したりするし,どうやらカメラに興味を示したりする人もいる。そんな周囲の反応を見るのも興味深い。
 それにしても,こんな短編を喜んで観る観客がたくさんいるんだから,それを知ることだけでも映画館へ行く価値はあるだろう(笑)。映画というのは本当に奥が深いです。

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