シム氏の大変な私生活 (La Vie Très Privée de Monsieur Sim) 第28回東京国際映画祭 ワールド・フォーカス

冴えない中年男のフランソワ・シム。妻とも別れて,今は仕事すらない。旅先で出会ったポピーの家のパーティへ行くと,そこで彼女の伯父さんという人と出会う。彼からドナルド・クロウハーストというヨット乗りの話を聞く。彼は世界一周ヨットレースに出るのだが,最後には行方不明になってしまった男だ。おそらく自殺したのだろうというのが一般的な見解になっている。彼についての本を読み始めるシム。ようやく,歯ブラシを売る営業職にありつき,フランスを営業で歩く毎日だが,クロウハーストの本に影響される毎日でもある。そんな彼の行動がロードムービーの体裁を取りながら描写されていく。

フランス映画らしい人生を深く見つめる作品である。コメディタッチでありながら,クロウハーストの人生,そして,シムの父親の人生を自分の人生に重ねあわせながら,人生の中に潜む偶然・必然・楽しみ・絶望などが語られていく。人生とは哀しい。でも,人生は楽しいのだ!まさにフランス流人生賛歌であるとも言える。
何層にも重ねられた物語が絡み合ってくる脚本は圧倒的に素晴らしい。でも,まさかこのタイトルで日本公開はしませんよね?

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