ヴィクトリア (Victoria) 第28回東京国際映画祭 ワールド・フォーカス

スペインのマドリッドからベルリンにやってきて,カフェで働くヴィクトリア。とある夜遅く,クラブへ出かけた帰り道,4人の若者に声をかけられる。車を盗もうとしていたその若者たちはヴィクトリアを隠れ家へ誘う。そこはとあるアパートの屋上で,たまに彼らはここですごしているらしい。ゾンネ,ボクサー,フュス,ブリンカーと名乗った彼らはさほどワルではなさそうだ。でも,ボクサーはムショに入っていたこともあるらしい。
ゾンネはヴィクトリアが気に入ったらしいし,彼女の方もまんざらではない。でも,もうすぐ夜が明ける。彼女はカフェを開けなければならないので,カフェへと帰る。ゾンネも別れがたく,そこまで一緒に行くが,そこで彼女がピアノを弾くのを見て驚く。プロ並みだ!彼女は音楽院出身だが,才能がないので,ピアノは諦めたのだと言う。「音楽院の生活なんて,まるで老人のようだった。今はワルになってみたい」
そこで問題が起きる。ボクサーがムショ時代に世話になった男から頼まれて,これから一仕事しなければならない。でも,人数が4人必要なのに,ヤクで朦朧となってしまったフュスが使い物にならなくなってしまったのだ。「なら私がやる」とヴィクトリア。その時はそんなに危ない仕事だとは思ってもみなかったのだった。

まさに驚きである!冒頭から全篇がワンカットだ!キャメラはヴィクトリアから離れることなく,140分間(!)の出来事を正確に記録し続ける。まるで生き物のようにつきまとうキャメラは凄いとしか言えない。しかも,光と音で充満するクラブ,夜のベルリン,狭い階段からエレベータ,そして夜が明けて明るくなったベルリン。そして,ゆるやかな動きから,アクションシーンへと多様な光景を映像化していく撮影テクニックには脱帽するしかない。もちろん,その演出も!
後半は銀行襲撃とそこからの逃亡という極めてサスペンスフルでアクロバティックなシーンが連続する。観客はそれに釘付けとならざるを得ない。いやぁ,凄いです!面白いです!

©Matchfactory

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